「専門医」で検索してやぶ医者を避けよう(患者さんのための、クリニックの選び方)

体調が悪い・〇〇が痛い・最近元気がでない・・・

など身体に困ったことが起こり、病院へ行こう...!と思ったとき

 

あなたはどこの病院に行きますか?

病院をどうやって選びますか?

 

前から通っている病院・周りの人の評判が良い病院・ネットで良さそうな病院・大きな病院、、、などのから判断する人がほとんどだと思います。

今日は、そこに、ある基準を加えて欲しい、という医学生からの提案です。

 

病院実習では様々なタイプの患者さんを見てきました。

中でも印象的だったのは、近所の病院には通っていたのにどんどん病気が悪化してしてしまい大学病院に来たが、薬を変更して生活の指導もしてあげたらみるみる数値も症状も回復した、という患者さん(複数名)です。

このような場合、結局、近所の病院の先生がヤブ医者さんだった、ということになります。不適切な治療は患者さんのためになりない、ということを実感しました。

でも、そういう先生は実は患者さんには評判が良かったりします。なぜなら、コミュニケーションが上手だったり、患者さんの話をよく聞いてくれたりするからです。

それも医療においては大事な要素の一つだと思います。

でも、本当は一番いい治療を受けたいですよね。

 

では、そういった目に見えないやぶ医者さんを避けるにはどうすればいいでしょうか。

インターネットが使えるなら簡単な方法があります。

「〇〇科 専門医 住んでいる地域」

で検索することです。

 

〇〇科、は自分の症状に見合った診療科の名前を入れてください。お腹が痛いなら消化器内科、咳が出るなら呼吸器内科、など。

 

専門医とは、「ある程度はその診療科での診療の研鑽を積んだ」という証です。嘘をついて名乗ることは許されません。

医者は、全部の病気に詳しいわけでは全くありません。「自分の専門については自信があるけど、専門外は実は自信がありません...」という人がほとんどです。

ですから、その先生が専門にしているかどうか、ここが最も大事なポイントになってきます。

 

専門医は、循環器内科専門医、消化器内科専門医・・・など20個程度の専門医があります。

自分の症状と見合った専門医の先生のところに行くことが、これからの病院選びには欠かせなくなっていくと思います。

 

じゃあ、自分の症状に合った診療科って一体なんて科なの?という疑問については、次の回に書きたいと思います。

 

大事なことはほんとうに少ない

勉強してて日々思うのはタイトルのようなことです。

僕からすると、世の中の参考書は分厚すぎ、問題集も分厚すぎ、解説授業は長すぎます。

どの分野でも、ごく少ない考え方の基本部分・原理をしっかり理解しておけば問題は解けます、応用が効きます。

それをどう見つけ出すか、それが勉強なのだと最近わかってきました。

 

参考書の選び方もこれが大事ですね。

基本事項がしっかり記述してありそうなできるだけ薄い本、それが優れた本ですね。

高校の教科書群は非常に優れていたんだなと、振り返れば思います。

医学分野も他分野と同じく、困った本が溢れていますから、本選びは大事ですね。

「あいつガチで凄えな」って人はだいたい記憶の天才だという話

かなりハイレベルな層でも「あいつは凄い」と皆が一目置く人はいます。

学問の領域だと、理三理一トップ合格層・数学等のオリンピック金銀メダリストです。

音楽の領域だと、有名コンクール入賞者レベルの演奏者です。

 

私は昔、この人達が有能なのは、「飛び抜けた思考力があるから」や「(よく言われるような)才能を持っているから」だと思っていました。

しかし、彼らを間近で見ていると、それは正解の一部分でしかなく、真の正解は別のところにあることがわかってきました。

 

確かに、彼らには特殊能力が備わっています。実は、この人達に隠れて共通しているのが、

圧倒的な記憶力

です。

一度理解した公式・解き方を、無意識に高レベルに保持することができます。

あるいは、楽譜を見たり聞いたりした曲を、即、止まらずに演奏できます。

思考力とか表現力はその先にあるものなんですよね。記憶をスムーズにできることで、思考の部分に時間を使ったり、表現や技術の部分を磨くことができます。

理三に言った友人(のうちレベルが違うなと思った人)は、参考書を画像記憶していました。

完全にレベルが違いますね。

凡人はどうすればいいのか

普通の人は、別に数オリで金メダルを取ったり、著名なコンクールで優勝する必要はありません。また、記憶力の異常に優れた人間はそれほど多くありません。

つべこべ言わずに、とにかく暗記暗記、繰り返し学習、基礎を定着させることが必要です。

音楽なら、とにかくとにかく譜読みを早く済まして一通り弾けるようにすることです。

それを本当にしっかりやることができたら、理三合格や全国出場くらいは普通にできます。

(それができないのが私を含めほとんどの人間ということはひとまずおいておいて。)

感度と特異度が簡単にイメージできるようになる話

感度・特異度って、結局どっちがどうなんだっけ?というのが非常に紛らわしいですよね。

「感度が高いと...?陽性的中率が...?で、陰性の場合はどうなの...?あれ...?」

とよくなります。

それを簡単にイメージできる方法を思いついたので記しておきます。

「感度が高い」のイメージ

感度の高い検査として、「病棟のモニター心電図」をイメージするといいと思います。

病棟の心電図って、「ひっきりなしに鳴るけど、みんな対して気にして無くて看護師さんが適当に止める」って感じですよね。

感度の高い検査のイメージは、「しょっちゅう陽性になってて、なってなければまず安心」という感じです。

陽性→よくあることだよね、ホントにやばいのもたまにあるけど

陰性→心臓に関しては、ほぼ間違いなくヤバくない

つまり、感度の高い検査の使い方は「陰性を見て安心したい」って感じでしょうか。

※心電図の「ラーファーラーファー」の方です。「レ♭レ♭レ♭レ♭レ♭レ♭!」の方は割りとみんな気にしますから。笑

「特異度の高い」のイメージ

特異度の高い検査のイメージは、「なかなか陽性になんてならないから、陽性ならヤバい」という感じです。

上級医の先生に「先生、これヤバイよ」って言われたとき、それは特異度の高い助言です。

陽性→ヤバいよヤバイよ

陰性→安心はできひん

つまり、特異度の高い検査の使い方は「これやっぱヤバいよね!CT撮りたいです!」「陽性じゃんあぶねえ、やっといてよかった」って感じでしょうか。

検査ごとの感度特異度のイメージ

次は、どんな検査が感度が高くなりやすいか、特異度が高くなりやすいか、の見分け方です。各検査の大体のイメージを掴めば、それは自ずとわかってきます。

「これ、すぐ引っかかっちゃうでしょ...」な検査は、感度が高いです。

「そんな簡単には陽性にならないし、陽性だったら絶対ヤバいでしょ...」な検査は、特異度が高いです。

ここでは髄膜炎を例に取ります。

頭が痛くて吐いてます、という患者さんに対して、

①「ぜったい引っかかるでしょ...」という検査は、頸を左右に振ってもらう「jolt accentuation」があります。

髄膜炎がもしあったら、痛くて頸振ってる場合じゃなさそうですよね?

もし陰性だったら、髄膜炎ぽくないですよね?

じゃあ、眼の前の患者さんがブンブン振っているなら大丈夫そう=陰性なら安心、ですよね。

※jolt accentuationは別に感度が高くないという話もあるそうです。ヤレヤレ

 

②「これそんな簡単にはならないし陽性だったらヤバいでしょ」という検査は、

足上げ腹筋のポーズから膝が進展できないKernig徴候や、仰向けで頸を前に起こすと膝が勝手に曲がるブルジンスキー徴候があります。

こんなよくわからん身体所見、絶対簡単には起きないでしょ、と思いませんか。

もし陽性だったらそれはもう髄膜炎ぽいですよね?

じゃあ、眼の前の患者さんがよくわからん身体所見陽性になっててヤバそう!=陽性ならヤバい!、ですよね。

では、重大な疾患のスクリーニングに適しているのはどんな検査か?

もちろん感度特異度の両方が高い検査が良いのですが、それがない場合です。

スクリーニングの目的は「ヤバいかもしれない人を見つけて、詳しい検査にもっていく」です。この観点から行くと、かもしれない運転を心がける意味から、すぐにピコピコ鳴ってくれる検査が安心できそうです。つまり、「モニター心電図」的な、感度の高い検査がオススメになってくるわけです。

 

以上、感度と特異度が簡単にイメージできるようになる話、でした。

 

 

医師国家試験の模試はどれを何回がいいかの話

医師国家試験に向けて模試は重要です。国試本番の前に、自分が本当に国家試験レベルの問題を解くことができるか知っておく必要があり、また、それにより自身の学習を修正できるからです。

模試は何回受ければいいのか

模試をある程度のクオリティで出している会社は3つあります。MEC, TECOM, MedicMediaです。また、各会社で一年に3回-4回程度の模試があり、たくさん模試があることがわかります。

不安になると、たくさん模試を受けるのが良いように思ってしまいますが、模試をたくさん受ける必要はありません。模試を受ける目的は、「自身の学習方針の正しさや、このまま行くと合格できそうかどうか」を判断するためであり、それは各時期に1つ受ければだいたい判断できるからです。また、お金のこと(後述)もあります。

心配症な方は、模試と同じ問題が複数出て、そこで合否が決まると考えてしまいそうですが、それが現実化する可能性は限りなく低いし、そもそもそのような状況に陥らないように勉強しなければいけません。

ここから、受験回数のオススメは2-3回です。

夏と冬または直前期に1回ずつ受験するのは、必要条件かと思います。夏に方向性と距離感を掴み、直前期に確認するという感じです。

それにプラスして1回くらい受けておくと安心できるのではないでしょうか。

それぞれの会社の模試の内容は?

各社の模試を比較していきます。問題の質は、各社のサービスやCBT模試を利用した私個人の感想です。

・MEC

春・夏・冬の3回で、早期申込みで3つ合わせて19,800円、単体での申込みもおそらく可能で、春が4,400円、夏と冬が回9,900円。冬の回は模試として最も受験者数が多いようだ。

CBT模試は、難易度が本番よりやや低いが割りと妥当な出題だったと思う。

どの分野でも解説する講師の圧が強く、それが好みでない。

・TECOM

春夏冬直前の4回、各回10,000円前後。だんだんと難易度を上げる模様。CBTの模試は、常識で解けてしまう出題が多く、あまり妥当とはいえなかった。この会社は、出題目的が謎なことがよくある。

・MedicMedia

QuestionBankの会社。夏・冬・直前の3回で、早期申込で3つ合わせて16,500円と抑えめだが、単体では各回16,500円とかなり強気な値段設定。模試がスタートして歴史が浅く、早期申込で囲い込む戦略と思われる。

難易度は各回ともに国試本番レベルに合わせて作っているが、スタート初年度の模試は異常に難易度が高く使い物にならなかったらしい笑

CBT模試は難易度がやや高かったが、妥当な出題を感じ、勉強になった。本番と同じ程度の成績だった。Qassistの動画はテンポよく、理解しやすいと思う。

どれがおすすめか

私は、国試レベルを強く意識していることと、CBT模試等での問題の質の高さから、MedicMediaの模試を使います。受験回数もちょうど良いと思います。

ただしこれは好みですので、MECでも全然いいと思います。

TECOMは高いし個人的にあまり好きではないのでオススメはしません笑

また、複数の会社を組み合わせると、どうしても値段が高くなります。どうしても他の会社のが解きたかったら、友達に問題を見せてもらえば良いのではないでしょうか笑

 

 

医学部の地域枠は益々厳しくなっていくという話

地域枠とは何か?

地域枠がうまれた背景として、医療の問題点のである医師の地域偏在問題があります。

医師免許を得た人達のうち少なくない人が、都会で働くことを希望します。理由は様々ですが、都会に行ってみたい・戻りたいという感情が一番でしょうね。

田舎の県では、卒業生100人のうち40-50人しか臨床研修を出身県内でしか行わないところもあります。そうすると、地方の医療は人材不足となるわけです。

これを解消しようと生まれたのが地域枠制度です。

卒後の何年かを①出身県内の病院で働くこと、また場合によっては②人不足の診療科(小児科・産婦・救急・へき地)で働く契約で入学します。その上で、月10-20万円(~私立ではさらに学費一部免除など)の奨学金(契約を守れば返還不要)がもらえることが多いです。

地域枠はなぜ拡大していくのか

医師の偏在は全く解決していません。このままでは、ネットの発達で、都会での研修に憧れる学生は増加してさらに進んでいくと考えられます。そのため、縛りのない学生はどんどん都会へ流出していきます。

それに対抗するために地域枠が拡大していきます。また、制度変更というのは、始めるのは難しいですが、始まるとその範囲を拡げるのは比較的カンタンですから、これまで以上に地域枠拡大は加速していきます。

さらに、地域枠の「拡大」、には枠の定員が増加していくこと、以外にも①契約を違反しづらくすること②満たすべき要件が拡大すること、が含まれてきます。

いずれも現に始まっています。

例えば①は、奨学金返還はもちろんですが、地域枠離脱者を採用した病院には補助金減額(つまり契約違反者を県外の病院が雇う理由がなくなる)、離脱者は専門医取得不能(専門医の無い場合、雇う側も不安に思うため就職先が限られる)、②は診療科選択肢を限られる、です。

このようにして地域枠の人数は増加、そして契約内容は厳しくなっていく、そんな感じです。

※ここまで書いてみると、田舎の県は私立医大の地域枠を増やす手法に走るのが得策に思えてきました。県は、私立医大の学費を肩代わりしてやる必要がありますが、学生は契約違反をした際に還すべき奨学金が膨大になり、県に定着しやすくなります。私立医大も、県が学費を払ってくれますし、その県での影響力を増やすきっかけになります。そして、なんと学生も、都会で憧れの大学生活を送ることができるということで、win-win-win(あれ?)ですね。でも、国立も違約金1000万円とかで契約させれば同じになりますね。

地域枠の今後は?

将来的には、田舎の医学部では過半数が、診療科選択の縛りがあり、かつ、制度的に脱出のしづらい地域枠となり、その枠の人材が地域医療を支えることになるでしょう。

臨床研修の自由化ってだれがやってくれたんでしょうか?昔はガチで自大学研修しか正規ルートがなかったそうですね。学生にしかメリットが無いのに自由化してくれた人には感謝しかありません。

 

人名を疾患名にしてはいけないという話

私立人名を疾患名にするな高校校歌

 

たとえ疾患の発見者が偉大でも~

人名を疾患名にしてはいけない~

 

人名を覚えても何も得られない~

それよりも病態で名前をつけろ~

 

後世の人が学ぶ時困るやろ~

同名の人嫌な気持ちなるやろし~

 

嗚呼、我らが~ 

人名を疾患名にするな高校~